2017年6月22日木曜日

ハイドロポニカリーな栽培と自然農法。

昨日6月21日は、2017年の夏至でした。
帰り道にどこか寄り道したくなるのは、夕方6時を過ぎてもまだまだ明るいからでしょうか?

夏至になる頃から、太陽光があたる量が多くなって地球があたたまってくるそうで、晴れれば夏日、雨の日は春に逆戻り、と気温や湿度の変化が大きい今日この頃です。

植物たちの生長スピートが突然早くなるので、天候によって培地が乾くスピードにものすごくムラがでます。水やりの回数やサイクルが変わりやすかったり、幼苗は、たった一日目を離しただけで枯れてしまった! というトラブルが起こりやすい時期です。

 ・・・ということで、まだ続いているメロン栽培。昨日は熱を逃す、今日は保温、なんてその日の天気に合わせて日々管理が変わります。

























ところで、

「 有機栽培や不耕起栽培など自然農法的なメソッドを、ココ栽培ポッティング・ミックス栽培で実践したいな! なんかヨサゲだから。どーなのかしら? 」

というようなご質問を定期的にいただきます。このような育て方をすると、いいことだらけなんじゃないのかしら? とのことですが・・・



  • 「 できるだけ水を与えないほうが、高品質な果実がとれる。 」
  • 「 できるだけ肥料を与えないほうが、培地に力がついて植物が丈夫に育つ。 」
  • 「 できるだけ葉や根をカットすると、果実に栄養が集中したり、植物の危機意識が発揮されて丈夫になる 」
  • 「 できるだけ栽培期間を長くして、根をたっぷりと張らせて育てる。 」



















しかし自然農法的なメソッドは、ココ栽培やポッティング・ミックス栽培などの
ハイドロポニカリーな室内栽培には、残念ながら意味がありません。



その理由は、そもそも家庭用のココ栽培などハイドロポニック栽培用肥料や培地は、ムダな成分や物理性だけでなく、健康被害につながるマイナス要素をゼロにすることに全力を注いで作られています。


その配慮は、とくに免疫が低下している人などを中心に向けられていて、健康に不安がある人でも、安心、安全、効率的、そしてカンタンに植物を育てられるよう作られています。 


つまり、ココ栽培やポッティング・ミックス栽培で自然農法のメソッドをムリヤリねじ込まなくても、健康的で安心、安全、しかもおいしい、というメリットは共通しているからです。


















ここで、「自然栽培」について、ザクッと説明してみると・・・

農薬は使わない! 時には畑を耕さず、またまた時には肥料も入れず、生えてきた多種多様な植物も刈り取らず、パッと見た感じ耕作放棄地にみえることもある自然栽培のメリットは、本来の自然な地球のサイクルで作物を育てるから、有用菌も死なないから土壌の団粒化が促進されるし、病害菌への拮抗作用も大きくなるし、作物に過剰な残留肥料が残らないし、いろんな植物が混在しているから、作物だけが虫にやられてしまうこともない、そもそも作物が肥料過多にならないから、虫もそんなにつかないけどね。っていうか、根が養水分をもとめて深くたくましく伸びる、張るから丈夫で健康に育つし、植物本来のピュアなおいしさで、高栄養価な作物がとれるし、環境を破壊することもないから、いいことだらけ!!!


























実際に自然農法は、人類が半永久的に農業を継続できる、数少ないすぐれた農法のひとつです。しかしその偉大な農法が可能な理由は、土壌にたくさんの無機物だけでなく有機物が含まれていて、さらに植物、昆虫、微生物、あらゆる菌類などか、一生懸命生きたり死んだりしていくことをくり返しているので、それらの生命の営みのおかげで保水性や保肥性だけでなく、大きな浄化作用を持っている、という、とても複雑な物理性のおかげです。

さらに、、最近の研究でわかった植物のすごい能力、
「植物の根は、腐ったばかりの大きな有機物とか、水に溶けない肥料でも、自分で溶かして肥料にしちゃうんだよね。すごいね。」
とあいまって成立できるんだと思います。





一方の、ココ培地やポッティング・ミックス培土には、優れた保水性や保肥性はありますが、培養液を含み保ち、すみやかに根に吸わせるために加工またはミックスされているので、水溶性の専用肥料なしでは植物は生長できません。
ココなどのハイドロポニカリーな有機培地には、健康な土壌が持つ多種多様な物理性はないので、肥料や水を与えなくてもいい、など自然農法的な育て方はできないのです。


















そのため、私たちは各商品ごとの正しい栽培マニュアルをつけて販売しています。

2017年6月6日火曜日

夏こそやっぱり、トロピカルなCANNA COCO培地でココ栽培!

2017年バケツ稲栽培、定植スタートしました。職業柄いろんな植物を育てますが、お米を育てる時の背筋がのびる感じは、なんというか日本人独特のものでしょうか?「 茶碗には、一粒たりとも米を残すわけにはいかない! 」というのと、にた緊張感です。枯らしたらバチが当たりそうで緊張します。 




















一方、欲のカワがピチピチにつっぱったような、不純な心がけでスタートしたマンゴー栽培。「 でっかく育てば、買ったらン千円クラスのマンゴーが収穫できる !! 」こんな心持ちで行動すると、たいがい失敗するもんです。




















しかし、予想外の助っ人の登場で、わりと順調に結実してます。








アリンコどもです。アップで見るとお尻が透明なことを、久しぶりに思い出しました。
ちなみに、なり疲れで果実が落ちやすく肥料管理にコツがいる果樹類は、有無を言わさず「ココ栽培」にしています。 とくに夏野菜や熱帯植物など収穫を楽しむための栽培には、失敗が少なく確実なので、「ココ栽培」が向いていると思います。



















その理由は、「ココ栽培」は培養液で育てる養液栽培のひとつで、肥料効率がよいことが上げられます。 さらに「ココ培地」には高い保水性と保肥性があるのに、同時に空気もたくさん含めるオーガニック培地だからです。根に酸素が多くなり夏バテに強くなるうえ、肥効がよく、保水性が高いので、とくに培地の乾きが早い夏にはベリーベストなハイドロポニック培地です。
しかもロックウールよりも肥料の抜けが早いので、収穫時期に残留肥料のフラッシング期間がロックウールの半分、約一週間ですみます(このあたりは根の張りとか、肥料濃度で左右します)。





















では、「ココ栽培」のメリットや具体的な栽培管理のポイントなどなどを紹介します。

  •  「ココ培地」は、天然のヤシガラ100%の難分解性で硬い繊維でできてます。
    保水性と保肥性が高く、長期間分解されにくい有機培地、という点がロックウールやクレイペブルスなどの、一般的なハイドロポニック培地と、大きく違う点です。
    またこれは、他のココ培地にはない、CANNA COCO培地 だけのメリットですが、難分解性の硬い繊維のなかに、たっっっっくさんのすき間があるので、空気をたくさん含める状態が長期間たもてる、というすごさがあります。
    保水性も保気性も高いので、気温が高くなる夏は、ハイドロポニック・システムの管理とくらべると、とてもとてもラクなのに、おいしく丈夫に育ちます。

    ちなみに、同じ天然の有機繊維であるピートモスは、種類によっては空気に触れると分解が早まるため、再利用しすぎると繊維が分解されて根詰まりしやすい状態になります。この点がココとピートの大きな違いのひとつです。

  • これまで紹介してきたDWC、再循環ドリップ式、Flood&Drain などのハイドロポニック・システムとちがい、天然植物繊維のCANNA COCO培地がもつ、保肥性、保水性、緩衝作用が根を守ります。クレイペブルスやロックウールのように、ほんの少しのズレや、数時間の水不足で、たちまち植物がしおれてしまうことはありません。


  • 完成された栽培マニュアルと培養液で育てるので、初心者でも、栽培にコツがいる植物でもたやすく収穫までこぎつけます(マニュアルさえ守っていれば)。 経験豊富なホビーガーデナーなら、その出来栄えに狂喜しホレボレとするでしょう。


  • CANNA COCO培地 は、約1年の間、問題なく連続使用、または再利用ができます。さらに使用済みの「ココ培地」は土壌をフカフカにする自然に優しい土壌改良剤になります。 私の場合、室内栽培で一定期間使用したCANNA COCO培地 をためておいて、露地でのプランター栽培、猫草の培地、多肉やサボテン、観葉植物などの培地にしていますが、すべてが元気に育ちます。庭木や花の寄せ植えなど雨ざらしになる場所では、マグアンプなどの長期間ゆっくり効く緩行性肥料をまぜています。ミミズも喜んで食べるので、ミミズコンポストの活性化にも非常におすすめです。さらに原料であるココヤシは、ヤシの木になる果実なので森林などの伐採をしたり、限りある天然資源を採掘して、環境を壊す心配もありません。
    常夏では、ヤシの木は一年中ヤシの実をつけるのです! 大昔から果肉や果汁は栄養豊富な食材になってきましたが、ゴミだったヤシのカラが今では優れた培地になるので、技術開発が進んだ現在、ヤシの実は捨てるところがないのです。























・・・と、CANNA COCO 自慢は、これくらいにしておいて、「ココ培地とは? 」とか
「ココ栽培のポイント」などなど、ココ培地についてのプロフェシッショナルな情報満載の「COCO Infopaper」をはじめ「AQUA Infopaper」、「TERRA Infopaper」各 2017年改訂版を 現在 オンラインショップ にて、お買い上げの方のなかで、ご希望くださった方に配布中です。

ご注文の備考欄に「インフォペーパー希望」とご記載くだされば、同封いたしま〜す。



2017年6月5日月曜日

天空のポピーと、栽培テーブルのおそうじと底面吸水。

今年も見頃を迎えました、埼玉県秩父市皆野町の「天空のポピー」
本格的な梅雨になるまえに、パパッと行ってきました。






























カラッと晴れたこの日、ふと景色を見わたすと「おっ、ここはまるでトスカーナみたいだな・・・行ったことないけど。」 ここからほど近くの道の駅「みなの」では、名物手打ちうどんや、わらじカツ丼が食べられます。主力メニューではないと思いますが唐揚げもとってもおいしかったです。




















最寄りのインター「花園」から降りてすぐにある「道の駅はなぞの」、「JA花園直売所」、「花園フォレスト」周辺は、スイーツと 花卉、野菜苗、多肉、サボテン、庭木、果樹・・・つまり植物が大充実で、私のココロをつかんで離しません。スイーツバイキングも魅力的ですが、なによりも掘り出しプランツたちがざっくざくで、ドッキドキです。
シンボルツリーにもできる大きさのオリーブときたら、こちらの価格の1/3ほど!
行こうと決めた一週間前からワクワクがとまらないので、勝手に「スイーツ・プランツ街道」と命名しました。




















さて、栽培室の温度が30℃近くになる今日この頃ですが、温度と湿度に気を配るだけでなく、落ちた花や葉っぱなどのきれいに取り除くことも、病害虫トラブル予防の大切なケアです。

咲いては散っていくメロンの雄花どもが栽培テーブルに降りしきり、こびりつき・・・見た目も美しくないので、ざばぁ〜んと、流してしまいたい!!! というとき便利なのが「ラウンド・ソーサー」つまり受け皿です。



















例えば、アブラムシやウドンコ病などが出てしまったときや、葉面スプレー好きな人は、壁面をふき取ったり、栽培テーブルの汚れを洗い流してサッパリさせたくなると思いますが、酸欠知らずのエアロ・ポットの場合、洗い流した水がポットの底から吸収されると、ヤダナ! という感じがします。
























そんなとき便利なのが「ラウンド・ソーサー」です。やや深めの「ラウンド・ソーサー」の上にエアロ・ポットを置いておけば、栽培テーブルを洗い流した水を吸い込む心配もなくストレスレスです。
























エアロ・ポットと「ラウンド・ソーサー」をいっしょに使い始めるのは、栽培スタートからでなくて、開花後に果実が肥大してきて、水やりが週に2回〜3回ほどにふえて忙しくなってきたときからです。 



ざばぁぁぁっと水を流し終わって、栽培テーブルの輝きがもどってきました。あ〜、スッキリ!!!



























ラウンド・ソーサー」があったほうがいいのは、おソウジのときだけではありません。

ココ栽培でドリッパーで自動水やりすると「ドリッパーの都合で、全部の株に均一に水やりされてないっぽい」、「ドリップされる速度が早すぎて培地全体に培養液がいき渡らないうちに、ドリップが終わってしまう」とか、配置しているポジションによって「ランプの真下だけ、ファンの風上だけやたら早く乾いてしまう」、など不満足感がつのる場合も「ラウンド・ソーサー」があると便利です。


あっというまにドリップが終わってしまう場合や、乾きの早い株だけに「ラウンド・ソーサー」をセットして培養液を溜めぎみにして吸収させてあげれば、こういった不満足感を解消できます。
私の場合は、開花期に気温が高くて湿度が50%以下になってしまうときだけ、「ラウンド・ソーサー」に培養液を少し残して、やや底面吸水気味に管理しています。

気温が高く湿度が低かったこの週末、「ラウンド・ソーサー」に200ccほどの培養液を残して夜を過ごさせました。今朝、「ラウンド・ソーサー」をセットしていたメロンだけ、ひとまわり大きくなっていました。


























この底面吸水気味の管理は、あくまで果実が肥大する時期に培地が乾きすぎてしまうときだけで、生長期にやってしまうと根が増えなくなってしまうので、絶対にやらないことにしています。また、軽くて空気がたくさん含めるココ培地以外では、底面吸水気味の管理がマイナス面につながることが多く、あまり栽培に慣れていない人々は、避けたほうが無難な栽培方法です。























2017年5月31日水曜日

水耕栽培、はじめました。

昔からあった、コワモテのサボテンです。

浮遊感ただよう、水耕栽培にしてみました。








日本の職人さんがおつくりになられている、ハンドメイドのガラス容器です。
シャープでしっかりとしたディティールのつくりが、すばらしいです。






見つけたとたん「いいなぁ・・・」と思ったのは、
かれこれ、なん年前のことでしょうか?

1012 TERRA さんがおつくりになってます。









ヒヤシンスの花瓶にセットした多肉ハオルチアとならべて、愛でています。
根が、グングンのびてます。







2017年5月30日火曜日

季節にあわせて選ぶ、使う。ハイドロポニック・システムその3 再循環式ドリップシステム

今年もバラの香りただよう季節となりました。平塚の「花菜ガーデン」では、バラの開花がピークを迎えていました。6月にかけては、そろそろクレマチスたちも咲きそろう頃でしょうか?

























夏のハイドロポニック栽培の大敵、「 根が酸欠! 」を解決するハイドロポニック・システム栽培の具体的なマニュアルをご紹介していますが、本日は再循環式ハイドロ・システムのなかのドリップ・システムです。



















例えば、再循環式ドリップ・システム「ジェミニ」は、システムを連結させたり、外部にリザーバータンクを設けたりしない「スタンド・アローン型」のシンプルなシステムです。 培養液を蓄えた下段のタンクの中に循環ポンプがセットしてあって、タイマーなどを使ってポンプを作動させて、定期的に培養液をくみあげて植物に培養液を与えて育てる、という、説明を読むよりも見た方がはるかにわかりやすい、なので、だれでもDIYでつくりやすくもある、ハイドロポニック・システムです。

























再循環式ドリップ・システムの人気がとても高い理由は、構造がシンプルで、栽培効率がとてもよく、栽培難易度が高いパプリカだって、たぁっっっくさん収穫できます・・・しかもおいしく。







しかし、再循環式ドリップ・システムで、たくさんおいしく収穫するためには、マニュアルをきちんと理解しなければ、前々回ピックアップした、DWCシステム と大差のない結果となってしまいします。

まずは、このシステムの特徴とメリットから・・・


  • すべてのハイドロポニック・システムのなかでは、ランニングコスト(肥料と水の使用量)は、中間くらい。
  •  構造がシンプルなので、DIYでもカンタンにつくることができる。
  •  DWCやNFTなど、絶え間なくポンプが動いているシステムと比較して、栽培管理や培養液などのメンテナンスがカンタン。
  • 管理と手入れは、週に1〜2回ほど。
  • 収穫率が非常に高い。

再循環式ハイドロポニック・システムは、根に空気をたくさん保つことができるように、保水性が低くすき間がたくさんできる培地を使用します。つまり、大粒のクレイ・ペブルスがもっとも適しています。培養液をドリップする時間と回数は、ピーク時で4時間に一度、3分間ほどだけなので、根に酸素がとても豊富になります。

つまり、たいていは、根が常に培養液に浸っている状態ではないので、DWCシステムにくらべて培養液の減りや、pH、EC値が変化しにくい特徴もあります。また、夏バテや根ぐされ病にもかかりにくい栽培システムです。

















ちなみに「 培地にロックウールを使うのがオランダ風 」という認識が世界的に定着していますが、ドリップ用パーツが豊富なオランダのハイドロポニック栽培のほとんどがドリップ・システムで、以前はコスト面の理由から、ほぼすべてのシステムでロックウール培地が使われてきました。

そして、大きなロックウール・スラブと高圧ポンプを使用して、培養液を再循環させないRun-to-Waste(掛け流し式)のドリップ・システムを使うのが商用施設栽培用で、

主に低圧のポンプを使用して、小さな再循環式ドリップ・システムを使うのが家庭用、てな感じで、オランダのドリップ・システムは使い分けられてましたが、今日では家庭用ドリップ・システムにはクレイ・ペブルスが定着していています。
ドリップ・システムでロックウール培地を主に使うのは、掛け流し式ならOKですが、再循環式で使ってしまうと、保水力が高すぎるだけでなく培養液のpH値をあげるのでベリーベストではないね、という認識が一般的です。


次に、このシステムのメリットを最大に引き出すマニュアルです。

  1. 1m以上の丈に育つ野菜の栽培では、培養液は一株につき最低でも5ℓは必要で、一株につき10ℓ〜20ℓあるとGoodです。

  2. 同じ培養液をくりかえし使用する再循環式システムなので、培地は、問答無用で、クレイ・ペブルスの大粒を使用します。 培地の使用量が多いほど、ドリップ回数を少なくすることができ、根の広い面積で空気を豊富に保つことができるので、このシステムのメリットが引き出されます。 

    栽培開始から3〜4週間ごろは、苗のコンディションとグロワーのクセで、問題が起こりやすくなってくる時期です。クレイ・ペブルス培地の表面に肥料が白く結晶化しはじめたら、それは肥料を濃く与えすぎているサインです。 ドリップ部分が詰まりやすくなってもいるので、水か、CANNA Flashなどをシステム全体に回してクリーンにしたあとで、肥料濃度をうすめにして培養液の管理をしましょう。


  3. このシステムで、もっとも大切なポイント、ドリップ回数とドリップ時間、つまり循環ポンプを動かす回数と時間ですが、ドリップする分数と回数を最低限にとどめることが、このシステムの最大のポイントです。
    苗が小さな頃は昼間に1日一回、ほんの数分だけ(培地がすっかり湿る程度の分数)、苗が大きくなるにつれてドリップ回数を増やしていきますが、基本的には、昼間の時間帯(ランプ点灯時間帯)に、1日4回だけ3分間だけのドリップで十分です。


  4. 下段のリザーバータンクに根が届くようになったら、リザーバータンクをエアレーションすることもあります。 エアレーションは培養液のpH値を上げるので、交換した翌日は、必ずpH値をチェックしてください。

  5. 培養液は、7日〜14 日に一度、必ずすべて交換してください。交換する日以外でも、培養液の量がMax時から25%〜50%減ったら、Max時の量になるまで培養液を継ぎ足します。 真夏に水分だけ蒸発してEC値が上がってしまう時は、水だけを継ぎ足します。

  6. スタンドアローンタイプのハイドロポニック・システムで頭が痛いのが、真冬の水温管理です。 真冬はサーモヒーターで培養液を温めることが有効ですが、スタントーアローンタイプは、ヒーターが根にダイレクトに触れて傷んでしまうことがあるので、爬虫類用の加温ヒートマットをシステムの下に敷くことがおすすめです。または、以前紹介した連結方法で、外部にリザーバータンク用バケツを設置して、そちらで加温したりpHやECをメンテナンスしたり、ということができます。

    冬に室温を温められない時は、夜間にも、ヒーターや加温マットなどであたためた培養液を1時間に一度数分だけドリップさせて、根と培地をあたためます。このままだと根が酸欠気味になってしまうので、夜明け(ランプ点灯時)から4時間くらい、ドリップを止めて根に酸素を吸収させる工夫が必要です。











ここまで説明したように、再循環式ドリップ・システムは、4時間に一度、3分間しかポンプを動かさないので、ポンプの作動熱で培養液の水温があがってしまう、ということは起きませんが、真夏に太陽光やランプの熱での水温上昇をふせぐために、リザーバー部分にファンで風をあてるか、リザーバータンクを外部に連結させて日陰や室外に設置する、という方法が有効的です。


























また、ここまでの説明を、並々ならぬ忍耐で読み進んでくだすった方なら、お気づきだと思いますが、再循環式ドリップ・システムのキモとなるパーツは「 循環ポンプ(水中ポンプ) 」の大きさです。 吐出量が大きな循環ポンプを使うと、次のようなメリットがあります。
  1. 培養液が、ブシュ〜ッとすごい勢いでドリップされるので、さらにドリップ時間を短縮できるし(1分)、酸素量も増える。
  2. 水圧が高いので、再循環式ドリップ・システムで大きな課題となるドリッパーの目詰まりが起こりにくくなる。
吐出量が1000ℓ/h(1時間に1000ℓの水を吐き出せる)以上の大きなポンプは、吐出口が15mm以上のホースにしか対応していないものがほとんどなので、ドリップホースに内径13mmホースを使ってる場合は、あらかじめレデューサーが付属しているポンプを選ぶと、困りません。 また、大きなポンプは周波数が50Hzと60Hzに分かれてしまうので、このようなことにあらかじめ注意して選んでください。

ポンプを動かすタイマーは、Flood&Drain システム同様に問答無用で「分きざみで電源のOn/Offができるデジタルタイマー」をチョイスしてください。





























ということで、再循環式ドリップ・システム「ジェミニ」のようなシステムで、「ドリップ回数多すぎるかも? 」「 ドリップ分数が長すぎなんじゃない? 」など、根と培地が湿りすぎている時は、ほとんどの根が茶色くなってしまったり、茎がほそぉ〜くひょろひょろと徒長生長している、開花しても結実しないで雌花がポロポロ落ちていってしまう、などの症状が出ます。




























また、再循環式システムにあってない培地や肥料類を使っていても、嫌気発酵してpH値が8以上にグングンあがってしまったり、夏は酸欠で根が茶色くボロボロと変色して、生長がとまったりします。 
逆に冬は、枯死した根をそのままにしすぎていると、好気発酵を起こすので有機酸がつくられてpH値が4.0以下に下がり過ぎてしまいます。


ということで、DWC、Flood&Drain、再循環式ドリップをはじめ、エアロポニック、NFTなど、培養液を再循環させるあらゆるハイドロポニック・システムには、Dutch Formula CANNA AQUA肥料がおすすめです。

再循環式システム専用肥料「 CANNA AQUA Vega 」、「CANNA AQUA Flores」は、培養液のpH値が最適範囲からはずれない肥料設計になっています。CANNA AQUAシリーズをはじめ、CANNAのすべての肥料は、重金属や軽金属、過剰な吸い残し成分、の心配がないので、収穫時期の残留肥料の心配も、あ・り・ま・せ・ん!!!!


2017年5月23日火曜日

季節にあわせて選ぶ、使う。ハイドロポニック・システムその2 Flood & Drain

イチゴたちが、いっせいに色づき始めました。夏日が続くと、登熟するまでが、あっというまです。


















今年の2月にGETした「まんぷく2号」のイチゴ3株を、キャナ・ココ培地 + エアロポット6Lに植えたものを長方形のウッドプランターのなかにセットしました。そのままだとプランターのなかはスキ間だらけで乾きが早くなりすぎるので、スキ間と表面には「あく抜き ベラボン」の一番でかいチップをおしげなくドシドシと入れました。

春にイチゴの苗を買うと、花や果実がついているものが多いのですが、そのまま育てても、植え替えても、果実が大きくならなかったり、収穫が一回だけで終わってしまうことが多いのではないでしょうか? 花を咲かせている間のイチゴは、根の生長がほぼ止まるので、一般的な培養土だと根の活着があまりよくなくて逆にダメージとなってしまうので、そうなりがちです。

一方のココ培地はめちゃくちゃ根張りがいいので、あまり根を傷めないように植え替えれば、春に買った苗でも次々に花が上がり、しかも甘くなります・・・とはいえ、液体肥料とPK肥料 を与えているから、という部分が大きいです。

イチゴのように、なり疲れしやすい果菜類の栽培では、土壌でも一般的な培養土でも、一番果の収穫後からPK肥料をコンスタントにあげると次の果実も大きくなってくれて、栽培に自信がつきます・・・ただし、濃く与えると葉が焼けたりしますので、薄めを回数多く、がベストです。 



さて、夏にまけない植物を育てるために、おすすめなハイドロポニック・システムのひとつといえば、「Flood & Drain 〜フラッド & ドレイン〜 システム」です。
北米では「Ebb & Flow システム」ともいわれます。



























フラッド&ドレイン・システムの特徴について、もう一度ご紹介しておきます。

  1.  エアロポニック・システムのようなパーツ数が多くセッティングが難しいシステムと比べると、シンプルな構造なので、設置コストとランニングコストが高くない。

  2.  栽培管理のマニュアルがシンプルで簡単。

  3.  培養液のpH、EC値が変化しにくいシステムなので、培養液の取り替えは7日〜14日に一度ほどですむ。

  4.  根に酸素が多くなるので、多収穫になり、夏バテにも強くなる。

などです。
そして、なによりも一番重要なことは・・・

そのシステムにあったマニュアルをきちんと理解して、実行しましょう!  」
と、いうことです。

既製品のハイドロポニック・システムは、DIYよりもコストがかかる一方で、デザインや使い勝手が洗練されていて安心感がバカでかいのですが、正しいマニュアル通りにシステムを動かさないと、ほぼ意味がなくなってしまいます!


フラッド&ドレイン・システムのマニュアルを正しく守れば、難易度が高めなパプリカも、この通りスズナリに・・・








































では、フラッド&ドレイン・システムの正しいマニュアルです。 根が培養液にひたひたに浸る時間(フラッド・タイム)をできる限り短くするように動かすことが、このシステムのメリットを最大に引き出すポイントです。












  • メインの培地は、必ずクレイ・ペブルスにします。
    ロックウールは保水性が高すぎて乾くまでに時間がかかり、根の酸素量も減ってしまうし、pH値を少し上昇させるので、このシステムのメリットを最大にはできません。発芽や挿し木用の培地にロックウールを使う場合は、収穫まで使用するファイナル・ポット体積の5%〜15%以下の大きさのロックウールにするのがベストです。
    例 : ロックウールミニ・ブロック( 0.2L ) + ネットポット200X130mm( 約3.6L )



  • フラッド&ドレイン・システムは、リザーバータンクから培養液を汲み上げる「フラッド・サイクル」を定期的に繰り返して、植物に培養液を吸わせますが、1日あたりのフラッド・サイクル回数がすくないほど、そして、フラッドとフラッドの間の時間を長くとるほど、根に酸素が豊富になり、このシステムのメリットをぐんぐん引き出すことができます。

    つまり、「 クレイペブルス培地が、ほぼほぼ乾いてしまわない程度、ギリギリ植物がしおれない程度に、やっとフラッドさせよう 」という程度なので、1日あたり昼間の時間だけ最大で5回ほどで十分です。 基本的に夜間のフラッドは、培地内の空気の入れかえのためなので、1〜2回だけでOKです。
    フラッド一回につき、水中ポンプを動かす時間は、たったの3分くらいです。なので、分きざみで電源のOn/Offができるデジタルタイマーでポンプを動かします。
    フラッド時に、上段の栽培トレイに培養液が汲み上がってきたら、水位の高さをきめるスクリーンから排水が始まったらすぐに、フラッドが止まるようにポンプの作動分数を決めてください。 ポンプが動き出してから、ポンプが止まって栽培トレイから培養液がすっかり抜けるまで、の全プロセスに10分以上かからないようにすることがポイントです。

  • 培養液のリザーバータンクが大きい方が、メンテナンスがカンタンになります。万が一、タンクを設置した場所の床が抜けないように注意してください。
    また、培養液をフラッドする水中ポンプは、このシステムの「カナメ」です。もし故障すると植物は枯れます。 長く伸びた根がフラッドぐち、ドレインぐちを詰まらせても、アウトです。

  • リザーバータンク内の酸素量は、あまり気にしなくても大丈夫ですが、有機活力剤をたくさん入れると淀むので、気をつけます。エアーポンプを入れるとpH値があがるので、翌日のpH値を気にしてください。
    そして、水温は気にしなくてはなりません。冬はサーモヒーターを入れ、夏はリザーバータンクにファンで風をあてるなど、工夫するとGOODデス。



と、いうことで、「フラッド&ドレイン・システムを実際に持ってる、使ってる」、という人じゃないと、ピンッとこない説明かもしれませんが、くれぐれぐれも、クレイ・ペブルス以外の培地をたくさん使っちゃってる、フラッドしすぎちゃってる、フラッド長くやりすぎちゃってる、という方は、根が茶色くなりやすいので、それも目安にしていただきたいところです。

フラッド&ドレイン・システムなのに、「 なんだか植物が徒長気味にそだっちゃってる! 」と感じる場合も、フラッドしすちゃってる、というわかりやすい目安です。回数と分数を減らしてみてください。


フラッド回数と時間が最適だと、勝手によく育って、勝手にたくさん収穫できますよ〜!





























2017年5月16日火曜日

季節にあわせて選ぶ、使う。ハイドロポニック・システムその1 DWCシステム

今年もつるバラが咲いてくれました。「ラレーヌ・ヴィクトリア」という、とても育てやすいバラですが、調子にのって水をやりすぎると、葉っぱが黄色く落ちはじめたりしました。カップ咲きが好きです。

























寄せ植えの主役は、ビオラからフランネル・フラワーに交代しました。引き立て役のカラーリーフどもは、ワイヤープランツやフィカス・プミラのように、増え始めると手でむしっても間に合わない!という事態になりにくいカラーリーフを選んでいます。

今回は、フォックスリータイムをはじめ、リシマキア、アイビーを使ってますが、カラーリーフを植えておくと、花が変わってもガンガン使い回しができるし、もしもメインの花が枯れても「カラーリーフの寄せ植えなんざます! 最初から。」とごまかせるし、ツルをカットして花瓶に活けておくだけで根っこが出てきてドンドン増やせる、などなどズボラに私にはありがたい、数多くのメリットがあります。

























さてさてさてさて、春から夏へ季節の移り変わりどきは、気温も湿度もジェットコースターのように変わります。
とくに、四季がはっきりしている日本では、夏場のハイドロポニック・システム選びを外すと、わりと高い確率ですべてが台無しになります。


夏におすすめの室内栽培方法は、根に酸素量が豊富になるハイドロポニック・システムや有機培地栽培です。とくに、高温障害に強くなるココ栽培が一番ベストで、ポッティング・ミックス栽培もOKです。
ハイドロポニック・システムでは、根に酸素が豊富な再循環式システムか、Flood & Drainシステム(Ebb & Flow)がおすすめです。
エアロポニック・システムは、根に酸素が豊富なハイドロ・システムですが、いろいろな面で、収穫まで使いやすいシステムとは、いえません。


一方、高温多湿な日本の夏で、管理が忙しくなるハイドロ・システムは・・・


DWCシステム(エアレーション式)です。

























DWCシステムは、培養液のタンクにエアーストーンを入れて、培養液に直接空気を吹き込む、というハイドロ・ガーデナーなら誰もが一度は通過するビギナー向けのシステムですが、夏に管理が忙しくなってしまう理由は :

  1. 培養液の水温が上がる夏は、エアレーションしていても根に酸素が足りなくなるので、根が茶色く傷みやすくなったり徒長しやすくなる。培養液の水温が25℃以上にならないように工夫が必要です。培養液の最適な水温は、環境温度でも変わりますが、できれば20℃前後がよいです。 

  2. 空調がない場所では、培養液の水分だけ蒸発してEC値だけ上がってしまう。水温が高くなると、肥料成分の溶解度が上がるので、肥料焼けしやすい。

  3. 夏にDWCで育つ植物は、水分過多となる運命なので、おいしくならない。肥料濃度を高くすると、ある程度水分の吸収をおさえられるが、今度は肥料焼けしやすくなる。

それでも、どうしてもDWCシステムで育たい場合は、次をお勧めします(空調がある前提です)。
  • 毎日毎日、来る日も来る日も、培養液のpH値とEC値をチェックしましょう。週に一度は、培養液をすべて取りかえたほうがいいです。
    CANNA AQUA Vegaと、AQUA Floresなら、生長期のpH値上昇、開花期のpH値急降下をかなり防ぐことができます。ベース肥料を変えることも、pH値安定のためのひとつの解決策です。

    または、リザーバータンク(バケツ)に連結させて、そちらでEC値とpH値のメンテナンスをするのがベターです。

  • 季節を問わず、DWCシステムで、避けるべきこととは、DWCシステムの定めとしてEC値とpH値が、とてもとてもとてもとても変わりやすいので、5株以上育てない。もしも、DWCシステムを5つ以上セットしたい場合は、大きめなリザーバータンクと、ブロワー級のエアーポンプを必ず使い、培養液の排水や取りかえ方法をあらかじめ、よ〜く、よ〜く熟考してからにしましょう。
    軟水の日本ではpH値が変わりやすいので、DWCシステムをたらふくセットしてしまうと、とんでもない手間がかかります。

  • 1m以上に育つ植物では、夏は1株あたり10ℓ以上の培養液にする。通常は、一株あたり5ℓがミニマムですが、夏はもう少し多めにしておいたほうがいいです。




DCWシステムとリザーバータンクを連結させる方法は、いくつもありますが、簡単な連結方法の例は :
ひとつのDWCシステムと、リザーバータンクをつなげる。









  1. PLANT!T エアロス DWCシステム ひとつと、リザーバータンクとしてPLANT !T バケツをつなげる場合は、PLANT!T エアロス本体に最初からついている水位インジケーター部分を外して、そこに排水用バルブをとりつけます。





















  2. 一方の、PLANT !T バケツの平らになってる部分で、下から2cmの高さの位置で、1.8mm〜1.9mmの穴を開けます。できれば木工用ホールソーは使わず鋼鉄用などシャープな穴が開けられるホールソーで穴を開けてください。いらぬ水漏れを防げます。


  3. PLANT !T バケツに開けた穴に、排水用バルブにもつかわれてるパーツ、「PLANT!T13mmホース貫通ジョイント1/2"」をとりつけます。


  4. 別途、「内径13mmフレキシホース」は、リザーバータンクからエアロスまでの距離の長さが必要です。夏はグロウルームの外にリザーバータンクを設置すると、培養液の水温が上がりにくいので、その距離をきちんと測ってホースを確保してください。


  5. 「内径13mmフレキシホース」で、エアロスにとりつけた排水用バルブと、PLANT !T バケツにとりつけた「PLANT!T13mmホース貫通ジョイント1/2"」をつなげれば、OKです。 培養液のメンテナンスや取り替えなどは、リザーバータンクでおこないます。簡単に水位をチェックしたい場合は、リサーバータンクの下のほうに、もう一箇所、15mm〜16mmの穴を開けて「水位インジケーター・キット」を取り付ければ水位の確認だけでなく、排水も簡単にできます。


  6. 「PLANT!T13mmホース貫通ジョイント1/2"」をいったん取り付けた後に外してしまうと、ゴムパッキンが伸びているので、水漏れしやすくなります。
    市販の内径18mm〜19mmのゴムパッキンをいくつか用意しておいて、「PLANT!T13mmホース貫通ジョイント1/2"」を外すたびに新しいパッキンに取り替えてください。















































同じ要領で、PLANT!T エアロス DWCシステム どうしを連結させたり・・・









・・・このことに気をつければ、冷房がある場所でのDWCシステム栽培は、大失敗はなんとか防げると思います。
ということで、次回につづきます。