2010年12月3日金曜日

〜養液栽培でつかえる有機活力剤〜その1















ということで、「 肥料として認められるほど肥料成分は含まれてはいないんだけど、植物の生長を助けてくれるよ 」というのが、おもに水耕やココ培地など養液栽培用につくられてる「 活力剤 」です。なので養液栽培用につくられた肥料というものがかならず別に必要になります。

ほっっっとんどの有機活力剤の有効成分は、原料になる天然素材を細かくしたり微生物に食べてもらったりなどして分解したあとに、しっかり漉したりして抽出して植物の根っこが吸いやすい状態にします。

有効成分がアミノ酸や糖分などバイキンにとってもタマランごちそうになるので植物に活力剤をあげたら、根っこがとっとと吸ってくれないとバイキンを一生懸命増やしてることになっちゃうから、小さめの有機成分にしないとNGなんだそうで。

で、養液栽培用の「有機活力剤」は

「発芽・発根・生長」と

「開花促進」と

「酵素系」と

「肥料ぬき=登熟促進」

など効果別に分けられてる活力剤が多いです。





植物が発芽したり生長したり/花を咲かせたり/実を大きくオイシくしたりするには、必要になる成分が変わってくるからなんですねー。
例えば種子が「発芽」するには、光がいる種・いらない種を別にして「水分/温度/酸素/酵素」が大きなポイントだっていわれてます。なので「発芽を助けたり根っこをのばす効果のある有機活力剤」には、水分や酸素を種の中にしみこみやすくしたり炭水化物をブドウ糖にかえる酵素が含まれてるものもあります。

養液栽培用の「発芽・発根用の有機活力剤」の多くには、カラダを作る細胞のもとになる「核酸」や根っこを伸ばすタイプのアミノ酸が入ってます。根っこの細胞はとってもフレキシブルで、根っこの材料になるアミノ酸を吸うとタチマチ「ブニョ〜ッ」と伸びてでかくなれるそうです。(根っこ以外の細胞には、できないそうです。)
細胞分裂して数をふやすには時間がかかりますが、ひとつひとつの細胞をのばしちゃえば、またたくまに表面積が大きくなって酸素や養分や水分をいっぱい吸えるってえわけです。

そして根っこの種類にもいろいろあって、このブログに何度もでてくる「根毛」といわれる細かな細かな根っこは、「リン酸・微量ミネラル」なんかをイッパイ吸うので、根毛がたくさん発生すると、無機チッ素を有機チッ素へとドンドン同化できるし、さらに花をいっぱい咲かせたり結実させたり実を大きくしたり、最後にはとってもオイシくしたりと、最初から最後まで大活躍の根っこです。

ちなみに「根毛」は、まわりに酸素が豊富にないとでてきづらい根っこなので、培養液にベチャッとつかる水耕栽培システムだと「根毛」がほとんどでてこないっていわれてます。しかももし培養液の中で根毛がでてこれても、土壌とかココとかピートとか炭とか有機物質のスキマに伸びた「根毛」のほうが、養分をいっぱい吸収できるので、水耕でも無機培地とか養液オンリーよりも、有機質培地でヤサイを育てたほうが、レタスなど葉ものや果実の味がマロヤカでオイシくて日持ちするっていう結果につながるそうです。そのへんが「水耕よりも、土でそだてるほうがオイシくなる」っていう価値観につながったんだと思います。

が、ココ培地やソイルレスミックスなど、もともと肥料が入ってない有機培地と、養液栽培用の水溶性の肥料をコンビで使えば、チッ素をパツッと切りたい時に減らせるし、土だと固まっちゃう「リン酸」の効きが格段によくなったりするので、土と有機肥料で100%オーガニック栽培とおなじくらいにオイシく育てることがカンタンにできるかもしれません。

・・・実際、いまチマタで大評判の「サイコーにウマくてアマい奇跡のような某トマト」もココ培地をつかった養液栽培でつくられているとのことです。

あと、生長期用の有機活力剤の中には「オーキシン」という発芽や発根を促進する天然の植物ホルモンが入ってたりします。この「オーキシン」は植物のカラダでセッセと細胞分裂+生長してるパーツでつくられてるそうで、根っこから吸われると「 植物の茎頂部(けいちょうぶ=トップ)」に送られて茎を伸ばしたり新芽を出す作用があるアリガターイ植物ホルモンです。(流通しているすべての生長促進用活力剤にゼッタイに入ってるかどうかはワカリマセン。)














ということで「その2」につづきます・・・