2010年12月14日火曜日

「ホワイトセージ」土V.S.ココ培地

ここ数年スピリチュアル・ブームへの関心が高まるなか、ネイティブ・アメリカンが「浄化のハーブ」として使っていた「ホワイトセージ」がプチ流行となっていました。

ひとくちに「ホワイトセージ」といっても、買うヒトによっていろんなこだわりがあるようで「ヤッパシ本場の、聖地セドナ産じゃなきゃあ」とか「無農薬で育てられたホワイトセージがいい!」などなど。

ところがホワイトセージについては、生産地の米国でさえ大きな誤解があるようです。




「Juniper Ridge」というホワイトセージやスマッジなどの卸・販売をしてらっしゃる米国の会社のかたによれば・・・

「残念ですがホワイトセージは、セドナ周辺では自生も栽培もされてません。アリゾナやネバダでさえも。じつはカリフォルニア南西部やメキシコのバハなどでしか見つけられないんです。・・・さらに残念なことに、過去30年よりも以前にネイティブ・アメリカンが浄化のためにホワイトセージを使用していたという歴史的事実はないんです」

「ホワイトセージに携わる数多くのヒトから、このブームの起因を聞いたハナシをまとめると、1970年代に次世代感覚のネイティブ・アメリカンのカップルが、お祭りのダンスでホワイトセージを精神の浄化に使いはじめて、その後80年代にニューエイジ世代のあいだでオーガニック食品ブームとともに広まった・・・というストーリーが一番事実にちかいのです。」
ということでこの方によれば、ホワイトセージを浄化につかう伝統は、つい最近始まったばかりということですが、ワタシが実際に見たわけでも聞いたわけでもないので、どこまでホントかはわかりません。ただ、どんなに古い伝統文化にも「始まってホヤホヤ」という時点はあるので「歴史が古いか・新しいか」が問題じゃなくって「信じたら効く、効いたから信じた」んだと思います。

ところで、このホワイトセージですが同時に同じお店でGETした3つのプラントのうち、室内のココ培地で育ててるプラントと、屋外の培養土で育ててるプラントの様子がずいぶんちがってきました。


屋外の培養土です。
固形の元肥(もとひ)を混ぜこんであって、月に一度追肥してます。

葉っぱがノビノビ、葉っぱと葉っぱの間の茎=「節間(せっかん)」が短くてガッシリしている印象です。








室内ココ栽培で肥料は培養液です。
屋外のプラントと比べて背丈は2倍くらいあります。

屋外のものとくらべて「節間=せっかん」が長くて、葉っぱが外側にそりかえってます。

ホワイトセージは肥料グイですが、それでもちょっとチッ素過多みたいです。

ホワイトセージはカラッとした風通しのよい気候が好きなんだそうです。

屋外で育てていても、湿度が多かったり肥料をあげすぎると、大量のアブラムシがつきます。









茎の節間がながいのは、徒長気味な生長といわれます。
トマトでも水耕栽培で育てると、徒長気味な生長をすると言われてます。
これはチッ素が多いと「オーキシン」が多く分泌されて、コンパクトにガッシリと育つ作用のある「エチレン」が少なくなるからといわれてます。





以前も触れたように「エチレン」は、殺菌効果のある気体になって病害虫の発生を押さえてくれる植物ホルモンで、チッ素過多でエチレンの分泌が少なくなると抵抗力も弱くなるそうです。

ポインセチア、菊、シクラメンなどの季節の花卉は、ワイ化作用のある「合成ホルモン」をつかって、茎の徒長を押さえて、こんもりとコンパクトで花つきのよいプラントに仕上げたりします。

でも「合成ホルモンをつかっちゃうと、お客さんが買ったときは満開で見た目がよくても植物自体がじぶんで植物ホルモンをつくりだす努力をしなくなるから、花も咲かせなくなってくる。なので合成ホルモンはつかいません。その分、労力は増えるけど、ほんとにゲンキで長くかわいがってもらえる花を生産したい」という花卉生産者さんもいます。


・・・ということで、ハナシをまとめますと植物が、根っこや丈を伸ばしたり葉っぱをだしたり花を咲かせたりというシグナルは、すべて植物ホルモンの作用なんですねー。窒素・リン酸・カリウムなどの比率を変えるのも、植物ホルモンのバランスを変えていくということに直結するようです。