2015年11月25日水曜日

キャナ・ココ + バイオ・キャナでのトマト栽培

ミニトマトたちの1段目の花房が、実りはじめました。

果梗(かこう)が元気に2WAYに分かれてくれてます。


















天然の植物繊維由来の有機培地で育てるキャナ・ココバイオ・キャナも、ちっ素過多になりにくいので、病気にも強く、花つきも 実つきもよく、おいしく育ちます・・・だれでも。

11月11日、ちょうど2週間前のミニトマト「千果」たちのごようす。


























今週の同一人物たちです。この辺りまで伸びてから、毎回つるの誘引ラッシュがはじまります。また、次から次にキリなく登場してくる「わき芽」も、放置するとオーキシンが多くなり、果実がおいしくなくなるのだそうで、指先をトマト臭に染めながら、わき芽を折り取る日々の始まりです。

























花房は、2段目が咲き始めました。




















 
ところで、「キング・プロテア」が発芽しました。まだ種子のカラを脱ぎ捨てられないでいます。この種を蒔いたのが前回の満月なので、10月末ってことになります。「発芽の気配がないな、これは失敗か?」と思ってましたが、4つのポットに蒔いて、全部発芽しました。


























これは一緒に種まきした「バンクシア」。カラフルなキリタンポのような花が咲く予定・・・それは多分、2020年の東京オリンピックの頃です。

























プロテアやバンクシアなどの種を発芽させるには、煙でいぶす「くん蒸処理」をして休眠から目を覚ましてあげたほうが、発芽しやすくなるんでそうで。ということで、ホップの枯れた葉っぱをかき集めて燃やして「スモーク・プライミング」とよばれる処理をしてから、この種を蒔きました。

煙にいぶされると種の発芽が促進されるメカニズムは有名ですが、山火事などが起きて、一面の草木が焼き払われると、眠っていた種子たちが目を覚まして発芽して育ち、次世代に交代していくっていう、ホントに自然はすごいな、誰がいつどのように思いついたんだろう?っていうことです。

なので「スモーク・プライミング」に使う煙は、植物体を燃やして発生させたもののほうが、より発芽促進効果が高いんだそうで、とはいうものの、そのメカニズムは完璧には解明されていないようで、プロテアたちのような乾燥地帯に生息する植物だけでなく白菜やレタスなんかの葉もの野菜や小麦なんかでも認められてるようです。


2015年11月17日火曜日

R-DWCシステム。開花期用肥料にチェンジ。

この秋に、なんとかDIYでつくってみたR-DWCシステム。

4つのグロウバケツと、ひとつのリザーバーバケツ で培養液をやりとりするタイプの再循環式DWCシステムでカラーピーマン? パプリカ? を栽培してきていますが、今朝培養液のpH値を測ってみると・・・




























おやおやっ? 培養液のpH値が5.0を切っています。




























先週の金曜日に培養液をとりかえpH値5.8スタート。5日後の今日pH値が自然に下がり、だいたい4.7の弱酸性になっていました。



























培養液のpH値が自然に下がった原因は・・・?
もちろん! 「開花期スタート」だからです。




















よく見れば、やっぱりツボミが小さく見え始めてます。




























果菜類にかぎらず、植物ほぼ全般に共通することで、生長期には酸性の窒素をさかんに吸収しますが、花芽が作られ始めるとカリウムを多く吸収するようになります。

培養液で育てるハイドロポニックだと、その養分要求変化がpH値にモロでるので、とてもとても分かりやすいと思います。つまり、生長期には培養液のpH値が上がりやすく、開花期が進んでいくほど、pH値が下がりやすくなります。




とくに根っこが培養液に浸りっぱなしのDWCシステムは、生長期の移行による変化が、ダイレクトに培養液のpH値変化にあらわれます。なので、培養液のpH値が自然に下がるようになったということは、「生長期用の肥料は、もうお口に合わないのよね!」と植物が教えてくれてるので、「生長期専用のベース肥料CANNA AQUA VEGA」から、間髪いれずに「開花期専用のベース肥料CANNA AQUA FLORES」へと切りかえます。


















正しいタイミングで、培養液を開花期用にすべて交換してみれば、数日後にpH値が下がってしまうことは、もう起こらないはずです。

が、それでもpH値が勝手に下がってしまう場合は、なにか別の原因があります。

  1. CO2、炭酸ガスをテキトーに入れすぎてやしませんか?  エアーポンプがグロウルーム内にある場合は、空気中のCO2をエアーポンプが取り込んで培養液にどんどん吹き込んでる状態になってることがあります。
  2. 栽培期間が半年以上など長くなる植物では、死んだ根っこが分解されず発酵して「酢」になってる場合があります。培養液を定期的に取り替えないか、エアー量が少なくなったせいで、死んだ根が沈殿したまま担ってる時などに多く起こります。

    これを防ぐためには、「CANNAZYM」や「ZYM-ZYM」など古い根っこを分解する酵素を含んだ活力剤を与えて、最低週に一度は培養液を取り替えます。
    また、培養液を取り替える時には、エアーポンプやエアーストーンから十分な量の空気がちゃんと出てるかチェックしたほうがいいです。
  3. ピシウム、フザリウムが原因で起こる根ぐされ病などは、発生初期に培養液のpH値が下がり、その後に植物が降参してしまうとpH値が上がってくことが知られてます。
  4. 植物に対して、培養液量が少なすぎてませんか? 1メートル以上の丈に育つ植物なら、一株あたり最低5L以上は培養液が必要です。培養液が少なすぎるとpH値やEC値がコロコロ変わってしまいます。



と、いうことで早速開花期用の培養液に交換することといたしました。
リザーバータンクから各グロウバケツに培養液を流入させるメインホースを「13mmチーズ」と「13mmインライン・コック」で分岐させて、排水させれば、培養液の取りかえが楽チンです。
























ちなみに、フラッド&ドレイン・システムなど、根っこが培養液に浸る時間が短いシステムは培養液のpH値があまり変わらないので、肉眼で花芽をチェックして開花期肥料にチェンジします。







2015年11月11日水曜日

ブロワーに変えたら、根っこがのびたR-DWC

亀甲竜が発芽しました。一人前の見た目になるまで、どのくらいかかるでしょうか?
楽しみです。

























ガラス容器でウォールハンギングにしている多肉たちから、キノコが生えてきました。
























スナゴケをつけると、ほぼ100%の確率でこのキノコが出現します。キノコが元気に生えている間は、テラリウムを眺めるたびに森の中にいるかのような妄想にひたれて幸せです。

























さて、R-DWCシステムとは、Recirculation Deep Water Culture、つまり、2つ以上のグロウバケツを連結させて、すべてのバケツで培養液が循環できるようにセッティングしたハイドロポニック・システムのことをさします。1X1mスクエアの栽培スペースなら、リザーバータンク用バケツをのぞいて、4つのバケツがベストなセッティングの数となります。
























R-DWCシステムの主なメリットは、スタンドアローンのDWCシステムよりも培養液量が多くなるので、おもにpH値やEC値が変わりにくくなって手間が減らせることと、リザーバータンクがあるので、培養液のpH値、EC値、水温調整などのメンテナンスがしやすく、培養液量も減りにくいってことです。
デメリットは、構造上どうしても各グロウバケツの培養液量の水位が常に高めになるので、根が直接空気に触れる部分が少なくなることです。

なので、水位が高いR-DWCシステムには、大きなポンプと大きなエアーストーンを使わないと、根っこの生長がものすごく悪くなります。



アクアリウム用のエアーポンプ、排気量10L/分で、4つのグロウバケツにエアーを送っていた時の根っこのようすです。培養液に浸っている部分の根っこは茶色く変色してきています。根が腐ってきているわけではなく、根の活力剤に含まれる有機成分が吸収できず、根の表面にこびりついて、茶色に変色しています。


























その後、30L/分のブロワーポンプにチェンジしてみてから1週間弱(4つのグロウバケツに対して)。あっという間に根っこが伸びてきました。培養液のエアー量も見違えて多くなりましたが、音はほとんどしません。(ブロワーポンプは、使っていくうちに作動音がうるさくなってきたらお取り替えの季節なんだそうです。)
























肥料イオンよりも分子が大きな有機成分を根っこが吸い込むには、酸素がたくさん必要です。なので、根っこがダイレクトに空気にふれることができるフラッド&ドレイン、ドリップシステム、あとココ培地などの有機培地は、根がゲンキに育ちます。




ということで、水位が低くできないR-DWCシステムには、浄化槽用などのブロワーポンプのほうが、値段もあまり変わらずエアー量は3倍以上になるので、ナイスなチョイスだと思います。














2015年11月6日金曜日

ポートランド・フェスティバル2015

先月の末、青山で開催されていた「Portland Festival 2015」を、のぞかせていただきました。














〜 創造的な都市として、食の楽園として、様々に表現されるアメリカオレゴン州の都市ポートランド。
そこでは豊かな暮らしを当たり前のように送っている人々の姿があります。

人と人との交わり、アートや文化への好奇心、DIYの精神。ゆるやかな様でいて、確かな芯のある彼らの心に通ずるものは何でしょうか。

今回は「URBAN OUTDOOR」というキーワードそれを考えたいと思います。都市も自然のつながりの中に存在しているもの。食べものは一番身近な自然としてそれを教えてくれます。

ファーマーズマーケットと同時開催するPortland Festivalが、ポートランドと東京をつなぐブリッジとなり、双方の街がより面白くなる一助になれば幸いです。 〜


とのことで、当日の会場には、その趣旨のとおりヒップスター感とクラフト感あふれる小粋な空間がひろがっていました。

都市のオープンエアで楽しむ「農」と「音」。
まさにアーバン・フォークライフ・・・といった感じでしょうか?




































国内外ブルワリー、ワイナリーも参加なさってました。強烈なホップのアロマと苦味がたまらない「IPA」はクラフトビールの代名詞的な存在です。会場のどこにレンズを向けてもオサレに撮れるのが、さすがの演出力。







































そして、安定のフワフワ空間を奏でてくれるデュオ「jan and naomi」も参加なすってました・・・

















ということで、世界人口が70億人を超えた現代。
情報化と所得格差化が、なぜか同時進行してしまうという先進国で、自然回帰へ向かう人々のライフスタイルには、減らない豊かさと未来への希望を感じました。


2015年11月5日木曜日

CANNA COCO、 BIOCANNAの有機培地栽培スペース

2015年秋冬栽培は、ハイドロポニック・システムでの栽培スペースと、毎年定番となっている有機培地(CANNA COCO培地CANNA TERRA培土)での栽培スペースを設けました。


CANNA COCO培地と、CANNA TERRA培土、この2種類の有機培地で育てる冬のミニトマトの味ときたら、もうホントに、全力でジャンプするほどのオイしさです。

とくに、CANNA TERRA培土BIO CANNA肥料のオーガニックコンビでの栽培は、「有機栽培」という安心感だけじゃなくって、「ほぼスキルいらず! ダレが育てても勝手にオイしく育つ!!!」という最大の魅力があります。



こちらは10月26日にセッティングした直後、11日前のトマトたちの様子です。































こちらは今朝のトマトたちの様子です。根張りがよい培地と、培地専用の肥料を与えていると、とにかく生長がはやいです。もちろん十分な光をあてて、光合成量を豊富にすることも、早くゲンキな生長をさせるためには欠かせません。
GIB MHランプ600W NANOLUXバラスト600Wで50%減光ディミングしているので、約300Wの光量で育てています。

































CANNA COCO培地とコンビで使うCANNA COCO A/B肥料は、BioVegaBioFloresとはちがって「無機肥料」、一般的に化学肥料とよばれるものですが、有機栽培に負けず劣らずオイしく、そして多収穫に育ちます。かといって、BIO CANNAの有機栽培がオイしいかわりに、あんまり収穫が出来ない、というわけではゼンゼンありません。毎年おこなっているCANNA COCOとBIO CANNA では、どちらも早くゲンキに育ち、同じくらいたくさん収穫できます。
































と、いうことで、花の写真が一枚もないのもさびしいので、秋にうつくしく咲き開く「ダリア」の横顔をペタッと貼ってオシマイにします。




2015年11月2日月曜日

Flood & Drainシステム と R-DWCシステムでの栽培。

2015年の秋冬(しゅうとう)室内栽培のセッティングが終わりました。


まずは、

TITAN フラッド & ドレイン・システム



GEMINI 再循環式のドリップ + R-DWCシステム

のグロウスペースを1mスクエアづつ設けました。





PLANT!T タイタン」フラッド&ドレイン・システムでは、赤、黄色、オレンジのパプリカ(カラーピーマン)を育てていきます。
























フラッド&ドレイン・システムの「勝手に育つ、しかも元気で多収穫!!!」という最大のメリットは、これまでミニトマトを育ててみて、バッチリと実感できていますが、パプリカの栽培をおこなうのははじめてなので、根域の水分・養分・温度など安定感を重視して、グロウテーブル一面にクレイ・ペブルスを敷き詰めました。培地が多い方が根まわりの環境が安定するので、気温など環境の変化に強くなりますが、フラッド回数を最低限におさえないと、根が酸素に触れている時間が少なくなるので、徒長型の生長にかたむきやすくなります。


TITANをはじめとしたフラッド&ドレイン・システムは、培養液をくりかえし使う「培養液循環型」なので、メインの培地は「クレイ・ペブルス」にします。



そして、最後に循環型ドリップシステムのPLANT IT「GEMINI」と、DIYで試行錯誤でなんとか完成させた循環型連結エアレーションシステム「R-DWC システム」のグロウスペースです。ここでは、パプリカのみ育てていきます。